組紐の丸台 の鏡板と支柱に続き、

今回は、
丸台の台座を 黒漆 で仕上げてみました。



漆は黒の 艶消漆(つやけしうるし) を使用します。

黒漆(艶消)











高級漆器を作る場合、

正式には、地つけ 錆つけ を行った後に黒漆を

塗っていくのですが、

丸台の台座と云うことで、あくまで自己流で簡単に
仕上げました。

 


 1.木地調整
   丸台製作時にペーパーによる木地調整は
   終了しているので、省略です。

 

 2.木地固め

   
   黒漆を片脳油で3倍(漆=1:片脳油=2)に希釈
   したものを白木にしっかりと浸透させる。

木地固









   漆風呂で、十分乾燥させる。

 木地固(初回の塗)






     初回の塗り





   この工程を3~4回程行い、
   木地に漆の層を重ねていく。

3回目の塗り




     4度目の
     塗り固め







 2.研ぎ出し

   漆塗り用のクリスタル砥石で、

砥石(漆用)



    クリスタル砥石
    右から順に目が
    細かに・・・





   水滴を吹き付けながら研ぎ出していく

研ぎ









   布で研ぎ汁を綺麗に拭ってから、暫く木地を
   乾かす。

ふき取り












 3.中塗り

   黒漆を片脳油で1.5倍(漆=2:片脳油=1)に希釈
   したものを刷毛で均一に塗り上げる。

   すぐに漆風呂にいれて漆を乾燥させる。

乾燥(漆風呂)





      漆風呂で
      8時間程
      乾燥





   漆が十分乾燥したら、
   漆塗り用のクリスタル砥石で研ぎ出しをする。

 初回の研ぎ





     切り口の木目
     や凹凸がまだ
     目立つ  ⇒





   この中塗りの工程を7~8回程繰り返して
   漆の層を重ねながら平面の凹凸を序々に
   無くしていく。



 4.仕上げ塗り

   黒漆を片脳油で2倍(漆=1:片脳油=2)に希釈
   したものを刷毛で均一に塗り上げる。

   すぐに漆風呂にいれて漆を乾燥させる。
   乾燥時間は、12時間程


   この作業では、
   埃が塗り面に付着しないように注意が必要。



   漆が十分乾燥したら、
   目の細かいクリスタル砥石で研ぎ出しをする。


   この仕上げ塗りの工程を3~4回程繰り返して
   表面を鏡の様に仕上げていく。





こうして、

台座の 黒漆塗 が完了しました。

   
漆塗り完了



何回、塗り・乾燥・研ぎを繰り返したか 

憶えきれなかったですネ~ (笑)




支柱穴の詰まりを、取り除いて組み立てです。



最後に、

糸スベリをよくするために、鏡の部分に いぼた蝋

摺り込んで完成です。

いぼた蝋



  イボタの木に
  寄生するカイガラムシ
  から採れるロウ




いぼた蝋の摺込み






 いぼた蝋
 摺り込み




白木の丸台








        白木の丸台 ⇒



完成
 
           漆塗りの丸台の完成



この 丸台 で、

3月には、3対の 能面紐(展示用) を組みます。



でも、
その前に2面の彩色を完成させないとネ ・ ・ ・ 






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