牡丹 とは対照的な、
小粒で可憐な “ 白い花 ” も咲き始めました。
鈴蘭 はユリ科の
多年草なので、
この時期に毎年咲きます。
木漏れ日に咲く
可憐な 鈴蘭 の花
木漏れ日の中でさく、鈴蘭 の花もいいものですネ
庵に咲く鈴蘭は、栽培種のドイツスズランなので
日本スズランよりも背丈があり、見栄えがして、
いい香りを放っています。
これも、“ 初夏の香り花 ” ですネ
鈴蘭には、多くの物語があります。
ドイツでは5月の花、“ 5月の小さい鐘 ” と呼ばれ、
鈴のような花が階段のように咲くので天国への
階段という名前もあるそうです。
フランスでは、5月1日の祭日に 鈴蘭(ミュゲー) を
プレゼントすると幸せが訪れると言われています。
花言葉の 「 幸福を取り戻す 」 は、
ここからきているのでしょうネ。
日本の在来種の 鈴蘭 は
すずらんや 葉蔭に咲いて 隠れがち
などと詠われていて、
君影草(きみかげそう)や谷間の姫百合(たにまのひめゆり)と
いった別名があるように、
葉陰に隠れるように咲くロマンチックな花です。
アイヌの伝説には、赤い鈴蘭 が登場します。
昔、銭亀沢の近くに住んでいたアイヌの酋長の娘は、
村の一人の若者と恋仲になります。
冬も間近のある日、
若者は山に熊狩りに出かけ、巨大な熊に出会います。
若者の射た毒矢は熊の足を傷つけ、
熊は怒って若者に襲いかかりました。
若者は腰のマキリ(小刀)で応戦し、熊を倒しましたが、
自分も脇腹に深手を負い、そのまま死んでしまいます。
翌日、
知らせを聞いて村人達と一緒に現場にやってきた娘は
若者の遺体にすがって泣き崩れました。
それから、
娘は若者のマキリで自分の喉を刺し、
恋人の遺体の上に重なるように倒れて死んでしまいます。
その時、娘の血潮が四方に飛び去り、
その辺りに咲いていた鈴蘭の花を赤く染めました。
それ以来、その地には
薄赤く染まった鈴蘭の花が咲くようになりました。
[函館市銭亀沢]
きっと、こんな 鈴蘭 でしょうかネ
画像処理で少し
遊んでみました (笑)
でも、土壌成分の関係で、
薄赤く染まった 鈴蘭 の花が本当に咲くようですヨ~
もう一つ、
今度は可憐な “ 黒の花 ” 物語です。
今年、4月に買った
黒百合 が咲きました
ユリ科バイモ属の
高山植物
「高嶺の黒百合」
黒百合 の花言葉は
「 恋 」 と 「 呪い 」 の二面があるようです。
まずはアイヌに伝わる 「 恋 」 の物語です。
好きな人への思いを込めたクロユリを、
その人の近くに人知れずにそっと置くと、
贈り主が誰かわからなくても、
相手がそのクロユリを手にすれば、
必ず結ばれる。
黒百合 は地味な花ですが、
恋人たちを幸せにする花だと伝えられています。
もう一つは富山県立山の 「 呪い 」 の物語です。
厳冬の立山・ザラ峠越えをしたことで有名な
戦国大名、佐々成政が愛した側室の早百合(さゆり)
が謂(いわ)れのない姦通罪で成政に殺され、
そのとき早百合は
「 立山に黒百合咲かば、佐々の家は滅しよう 」
と言い残して死んでいったという。
そして後年、早百合の呪いは実現して、
佐々成政はお家断絶になってしまう。
以来富山地方で 黒百合 は、
人を不仲にして家を滅ぼす呪いの花と
なってしまいました。(>_<)
素敵な花なのに、
富山の県花にならなかった(郷土の花)のは、
多分にこんな事が影響していたのかも知れませんネ。
ついでに、もう一つ
昨年のNHKの大河ドラマ『江(ごう)』でも演じられた
北政所と淀殿の確執の下りも記憶に新しいところです。
佐々成政は北政所の推挙もあって肥後国主になった
お礼に珍しい白山の黒百合を献上したそうです。
早速、北政所は淀殿に自慢しようと
その黒百合を得意げに銀の花入れに活けさせ
茶会に招待します。
してやられた、
淀殿は急いで手を回し黒百合を大量に入手し、
粗末な竹筒に「活け捨て」して北政所を招待し、
恥をかかせた。
黒百合 って、雅勒は好きな花の一つですが、
戦国時代の女性達にとっては因縁の花だった
のかもしれませんネ~
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