菖蒲(しょうぶ) は五月の端午節句ころに咲く花ですが、

黄菖蒲_5.24







  黄花の菖蒲
    ’15 5月




梅雨の今、

咲き始めるのは 花菖蒲(はなしょうぶ) です。

蕾(2)_6.09







    6/9 蕾


蕾_6.09















菖蒲 は、奈良・平安時代の宮廷において、

端午の日には厄除けによもぎや 菖蒲

軒に飾り付けたり、菖蒲 の葉で薬玉を作って

それを柱から吊しておくなどの習慣があったようで、

万葉集 源氏物語 にも出てきます。



でも、

花菖蒲 は古い書き物には登場しません。


花菖蒲 の名が文献に出てくるのは十五世紀に

なってからで、室町の頃に書かれた最古の花伝書

とされる 「 仙伝抄(せんでんしょう) 」 に

  「 五月五日のしんには はなしょうぶ

   下草には菖蒲をのれと真の葉さしあけてもちゆべし


と立て花の生け方について書かれています。


咲始め_6.12
               6/12 咲き始め


江戸時代になって植栽した記録があり、

元禄のころから品種改良が進み、

幕末になってから大発展したようです。

そして日本の美術にも、

ようやく 花菖蒲 が登場してきます。


開花_6.13










   6/13 開花


開花(2)_6.13















こうして、

現在では花の美しい花菖蒲(アヤメ科)の方が

よく知られるよになりました。


シーボルトが欧州に持って行った花は

紫陽花(あじさい) が有名ですが、

花菖蒲 もシーボルトによって初めてもたらされた

ようですヨ。






 < 過去の関連記事 >

   ・能楽「杜若」 と 菖蒲?    ’11  6/17  こちら