桜前線も序々に北上して来ていますネ~
桜に纏わる能の演目は、数多くあります。
桜を愛し、桜と共に生きた西行法師の春の夢の中
での桜の老木の精との出会いを演じる 《 西行桜 》 、
京都、墨染寺の桜が薄墨色になったと云う伝説を
テーマにした 《 墨染桜 》 、
他にも 《 吉野天人 》,《 鞍馬天狗 》,《 田村 》,
《 志賀 》 なども桜の美しさを語っている謡曲で
有名です。
また、《 熊野(ゆや) 》 では、
桜は単に美しいと云うだけではないく「無常」「悲しみ」
の象徴としても扱っています。
雅勒 の住む、ここ茨城県にも
シロヤマザクラを中心とした「磯部の百色桜」で有名な
桜川市に、 《 桜川 》 と云う謡曲があります。
一般的に「桜」と云えば、ソメイヨシノでしょうけど、
こちらは「百色桜」と云われるほどに天然記念物の
“ 白山桜 ” を中心に同じく天然記念物の “ 樺桜 ”,
“ 大和桜 ” や “ 糸桜 ”など色々な種類の桜を
観ることができます。
天然記念物の
“ 白山桜 ” ⇒
桜川は、平安の歌聖・紀貫之の和歌にも詠まれている
ことから、その昔名声が京の都まで届いていたことを
うかがわせます。
⇐ 桜川の水源
「鏡ケ池」
さて、本題の四番目物(雑能)の謡曲 《 桜川 》 です。
九州日向国(今の宮崎県)の桜の馬場に住む
桜子(さくらご)は、東の国の人商人(ひとあきんど)に
わが身を売り、その身代金と手紙を母に渡してくれ
と頼み、国を立ちます。
人商人から手紙を受け取った母が驚いてあたりを
見ると、もう人商人はいません。
母は嘆き悲しみ、氏神の木花咲耶姫(このはなさくやひめ)に
我が子の無事を祈り、その行方を尋ねて旅に出ます。
柴田稔氏のHPより借用 ↑
それから三年が経ち、
常陸国(茨城県) 桜川は丁度桜の季節です。
桜子は磯辺寺に弟子入りしており、
今日は師僧に伴われて近くの桜川という花の名所に
やって来ます。
里人は、桜川に流れる花をすくい網で掬(すく)って
狂う女がいるから、
この稚児に見せてやればよいと勧めます。
⇐ 花を掬う狂女
↑ 桜川デジタルcom.mugaumHPより借用
呼び出された狂女は、九州からはるばる
この東国まで、我が子をもとめてやって来たこと
を語り、失った子の名も桜子、この川の名も桜川、
何か因縁があるのだろうが、
春なのにどうして我が子の桜子は咲き出でぬのか
と嘆きます。
⇐ 桜子の母が掛ける
【深井】の面
(子供を持つ中年代
の女性の顔をした面)
桜川デジタルcom.mugaumHPより借用 ↑
更に、桜を信仰する謂(いわ)れ、我が子の名“桜子”の
由来、桜を詠じた歌などを語り、散る花を掬い上げ
興じ狂います。
僧はこれこそ稚児の母であると悟り、
母子を引き合わせます。
二人は嬉し涙にくれ、連れ立って帰国します。
室町時代に、櫻川磯部稲村神社宮司が時の関東
公方足利持氏に花見噺「桜児物語」を献上、これを
基に、時の将軍足利義教が幽玄能の大家世阿弥
元清に作らせた謡曲「桜川」です。
「桜川」にちなみ、庵の桜を紹介します。
早咲きの「鉢植え桜」です。 (笑)
蜜蜂も喜ぶ
早咲きの桜 ⇒
(クリックして見て下さい)
この桜、サクランボが成るんです。
この時期と5月に2度楽しめる「佐藤錦」ですヨ~
五月末に実る
サクランボ ⇒
お隣の福島県には日本三大桜の一つ、
「三春滝桜」があります。
地震と放射能被害が無ければいいのですが・・・
「三春滝桜」、
今年はどんな咲き方をしてくれるのでしょうネ?
< シリーズ : 能と面と花 >
第1回 能楽「東北」と梅 ’11 3/11
桜に纏わる能の演目は、数多くあります。
桜を愛し、桜と共に生きた西行法師の春の夢の中
での桜の老木の精との出会いを演じる 《 西行桜 》 、
京都、墨染寺の桜が薄墨色になったと云う伝説を
テーマにした 《 墨染桜 》 、
他にも 《 吉野天人 》,《 鞍馬天狗 》,《 田村 》,
《 志賀 》 なども桜の美しさを語っている謡曲で
有名です。
また、《 熊野(ゆや) 》 では、
桜は単に美しいと云うだけではないく「無常」「悲しみ」
の象徴としても扱っています。
雅勒 の住む、ここ茨城県にも
シロヤマザクラを中心とした「磯部の百色桜」で有名な
桜川市に、 《 桜川 》 と云う謡曲があります。
一般的に「桜」と云えば、ソメイヨシノでしょうけど、
こちらは「百色桜」と云われるほどに天然記念物の
“ 白山桜 ” を中心に同じく天然記念物の “ 樺桜 ”,
“ 大和桜 ” や “ 糸桜 ”など色々な種類の桜を
観ることができます。
天然記念物の
“ 白山桜 ” ⇒
桜川は、平安の歌聖・紀貫之の和歌にも詠まれている
ことから、その昔名声が京の都まで届いていたことを
うかがわせます。
⇐ 桜川の水源
「鏡ケ池」
さて、本題の四番目物(雑能)の謡曲 《 桜川 》 です。
九州日向国(今の宮崎県)の桜の馬場に住む
桜子(さくらご)は、東の国の人商人(ひとあきんど)に
わが身を売り、その身代金と手紙を母に渡してくれ
と頼み、国を立ちます。
人商人から手紙を受け取った母が驚いてあたりを
見ると、もう人商人はいません。
母は嘆き悲しみ、氏神の木花咲耶姫(このはなさくやひめ)に
我が子の無事を祈り、その行方を尋ねて旅に出ます。
柴田稔氏のHPより借用 ↑
それから三年が経ち、
常陸国(茨城県) 桜川は丁度桜の季節です。
桜子は磯辺寺に弟子入りしており、
今日は師僧に伴われて近くの桜川という花の名所に
やって来ます。
里人は、桜川に流れる花をすくい網で掬(すく)って
狂う女がいるから、
この稚児に見せてやればよいと勧めます。
⇐ 花を掬う狂女
↑ 桜川デジタルcom.mugaumHPより借用
呼び出された狂女は、九州からはるばる
この東国まで、我が子をもとめてやって来たこと
を語り、失った子の名も桜子、この川の名も桜川、
何か因縁があるのだろうが、
春なのにどうして我が子の桜子は咲き出でぬのか
と嘆きます。
⇐ 桜子の母が掛ける
【深井】の面
(子供を持つ中年代
の女性の顔をした面)
桜川デジタルcom.mugaumHPより借用 ↑
更に、桜を信仰する謂(いわ)れ、我が子の名“桜子”の
由来、桜を詠じた歌などを語り、散る花を掬い上げ
興じ狂います。
僧はこれこそ稚児の母であると悟り、
母子を引き合わせます。
二人は嬉し涙にくれ、連れ立って帰国します。
室町時代に、櫻川磯部稲村神社宮司が時の関東
公方足利持氏に花見噺「桜児物語」を献上、これを
基に、時の将軍足利義教が幽玄能の大家世阿弥
元清に作らせた謡曲「桜川」です。
「桜川」にちなみ、庵の桜を紹介します。
早咲きの「鉢植え桜」です。 (笑)
蜜蜂も喜ぶ
早咲きの桜 ⇒
(クリックして見て下さい)
この桜、サクランボが成るんです。
この時期と5月に2度楽しめる「佐藤錦」ですヨ~
五月末に実る
サクランボ ⇒
お隣の福島県には日本三大桜の一つ、
「三春滝桜」があります。
地震と放射能被害が無ければいいのですが・・・
「三春滝桜」、
今年はどんな咲き方をしてくれるのでしょうネ?
< シリーズ : 能と面と花 >
第1回 能楽「東北」と梅 ’11 3/11