能面の “ 古び ” を表現する彩色工程で使う「古色液(こしょくえき)」をつくりました。
保存していた「夜叉五倍子(ヤシャブシ)」の実を軽く水で洗い、ビーカーに移して水を注ぐとやがて “ 琥珀色(こはくいろ) ” に輝きます。

琥珀色に輝く
ヤシャブシの溶液 ⇒
石綿網を敷いた伝熱器で5~6時間程、煮出します。
この間に、防腐効果と色出しを兼ねて 《 タバコの葉 》 を入れて煮沸します。
(この作業の為、2カ月程禁煙していたのにまた喫煙 を始めてしまいました。 罪作りな作業です (>_<) )
更に、数回水を差し加えて、ひたすら煮出します。


琥珀色から黒褐色の液になってきたら、ここで別の瓶に濾紙(ろし)を使って濾(こ)して中のヤシャブシと不純物を除きます。

一度濾した液を、新しい濾紙(ろし)でさらに濾しながら元のビーカーに戻して、
ふたたび、濃度を深めるために煮詰めます。


一時間ほど煮沸して黒味が出てきたら、埃(ほこり)の入らないように紙蓋をして、一昼夜寝かせます。
ビーカーの底にドロっとした沈殿物が溜まるので、
上澄み液だけを保管用の瓶に移して自然媒液の 「 古色液 」 が完成です。


この 「 古色液 」 をスポイトで絵皿に吸い取って、硝煙(しょうえん)やケーキカラーなどで色合いを調整しながら(必要に応じ、水で薄めて) 対象となる能面の趣(おもむき)に合った “ 古色 ” のベースを作りだします。
“ 古色 ” のベース色が決まったら、
“ 網ぼかし ” や “ タンポ打ち ”で能面に陰影を付けていくと、“ 古び ” の中に 『 幽玄味 』 のある面(おもて)が仕上がります。
また、目のシャドーや唇の紅の “ ぼかし ” などにも、この古色液を使います。
能面製作の過程での染色や漆(うるし)工法や金具の加工,メッキ,金箔貼りなどの諸作業も、学ぶことの楽しみかもしれませんネ (^‐^)
今回は、能面教室の生徒さん達にも参考になるように
少し詳しく書いてみました。
< 過去の関連記事 >
・ ヤシャブシ、って ?? ’10 5/22
保存していた「夜叉五倍子(ヤシャブシ)」の実を軽く水で洗い、ビーカーに移して水を注ぐとやがて “ 琥珀色(こはくいろ) ” に輝きます。


琥珀色に輝く
ヤシャブシの溶液 ⇒
ヤシャブシの実はタンニンを多く含み、古来より黒色の顔料やお歯黒などに使われてきたそうです。
石綿網を敷いた伝熱器で5~6時間程、煮出します。
この間に、防腐効果と色出しを兼ねて 《 タバコの葉 》 を入れて煮沸します。
(この作業の為、2カ月程禁煙していたのにまた喫煙 を始めてしまいました。 罪作りな作業です (>_<) )
更に、数回水を差し加えて、ひたすら煮出します。



琥珀色から黒褐色の液になってきたら、ここで別の瓶に濾紙(ろし)を使って濾(こ)して中のヤシャブシと不純物を除きます。

一度濾した液を、新しい濾紙(ろし)でさらに濾しながら元のビーカーに戻して、
ふたたび、濃度を深めるために煮詰めます。


一時間ほど煮沸して黒味が出てきたら、埃(ほこり)の入らないように紙蓋をして、一昼夜寝かせます。
ビーカーの底にドロっとした沈殿物が溜まるので、
上澄み液だけを保管用の瓶に移して自然媒液の 「 古色液 」 が完成です。


この 「 古色液 」 をスポイトで絵皿に吸い取って、硝煙(しょうえん)やケーキカラーなどで色合いを調整しながら(必要に応じ、水で薄めて) 対象となる能面の趣(おもむき)に合った “ 古色 ” のベースを作りだします。
“ 古色 ” のベース色が決まったら、
“ 網ぼかし ” や “ タンポ打ち ”で能面に陰影を付けていくと、“ 古び ” の中に 『 幽玄味 』 のある面(おもて)が仕上がります。
また、目のシャドーや唇の紅の “ ぼかし ” などにも、この古色液を使います。
能面製作の過程での染色や漆(うるし)工法や金具の加工,メッキ,金箔貼りなどの諸作業も、学ぶことの楽しみかもしれませんネ (^‐^)
今回は、能面教室の生徒さん達にも参考になるように
少し詳しく書いてみました。
< 過去の関連記事 >
・ ヤシャブシ、って ?? ’10 5/22