雅勒の散歩路

能面師「雅勒(がろく)」が 能楽・能面及び、花木や野鳥・蝶等に関するHP番外編の記事を
“散歩”のような気軽な気持ちで、不定期に掲載しています。

水引草

秋の茶花、水引草 5

未だ、残暑が続いているようですが

太平洋に面した日立では、少し気温も下がり秋の気配が感じられます。


この時期、
庵の庭に目立つのは秋の茶花の  水引草 です。

ミズヒキソウ_9.12





ミズヒキソウ(紅白)_9.12
















タデ科の多年草で、 花穂が進物用の紙糸 水引 に似ていることから命名されています。

花の大きさは米粒半分位
で、明るいピンク色の花を付けますが、
よく見ると花の下半分は白でグラデーションが可愛いですネ。



開いた花が見られるのは、朝からわずかな間で、
午前中のほんの2、3時間で閉じてしまう可憐な花でもあります。

ミズヒキソウ(2)_9.12



 ⇐ 開花時








ミズヒキソウ(夕方)_9.11


  

   閉じた花 ⇒










秋の風炉の席を飾る花としても、趣(おもむき)があります。

季(とき)の庭HP_野牡丹・水引



 ⇐ 紫紺野牡丹
        水引






(籠花入れ)

 
    ↑  音霧 さんの作品





水引 は、
能面の彩色道具にも使っていますヨ 

水引_9.12











白や銀の水引を束ねて、彩色にアクセントを付ける時に使う タンポ を作ります。

水引の利用_9.12







水引のタンポ_9.12




 ⇐ 水引の
    タンポ







気候もよくなってきたので、
彫り貯めてある能面も、そろそろ彩色を始めますかネ~ 






庵に咲く秋の 「 茶花 」 5

秋も深まり、庵の庭も秋花があちこちに咲いています。


こんな季節、

陽だまりでお茶でも飲みながら(と云っても、煎茶ですが)

秋花を見てのんびりと過ごす ・ ・ ・ 

至福の(とき)ですネ~




今回は、庵に咲く 秋の茶花 をお届します。

実際に茶室に生けられるイメージを、音霧忍さんの

HP (とき)の庭 』の  茶花アルバム  から

特別に画像をお借りして、コラボしてみました。





秋海棠(しゅうかいどう)は、ベゴニアの仲間では珍しく、

耐寒性がある多年草です。

晩夏から秋にかけて咲く花ですので、

庵の庭では、そろそろ花が散る頃です。

 
秋海棠_花

  秋海棠の花




秋海棠






  江戸時代初期に
  日本に持ち込まれて、
  江戸時代の風流人に
  大変好まれた花です




季(とき)の庭HP_尾花・秋海棠



  矢筈薄(やはずすすき)
麩模様





  秋海棠  
   秋明菊 
    オケラ 
     釣船草
      鵯花(ひよどりばな) 
           (籠花入)


                                 ↑  音霧 さんの作品


日陰を好む、この花は 和歌にも詠まれていますが、

漢名をそのまま採り入れた 秋海棠 の語を歌中

に入れることは憚(はばか)られたのは

断腸花(だんちょうか) の別名からですかネ~ 


   色も名も 唐くれなゐの 花のつゆ
                   かけそめて見む 倭ことの葉   
本居宣長





一般的なススキを 尾花(おばな) とも呼びますが、

葉に横縞模様の斑入りのススキを、矢の羽根や

鷹の羽の模様に見えることから

矢筈薄(やはずすすき) 鷹の羽薄(園芸種) と云います。

麩入りススキ












秋明菊(しゅうめいぎく)はキンポウゲ科の多年草で、

かなり古い時代に中国から渡ってきた花です。

各地に野生化し、特に京都の貴船山に多いので

貴船菊
(きふねぎく)の別名があります。


尾花

       矢筈薄 ⇒





秋明菊




 ⇐ 貴船菊
   (秋明菊)
 




季(とき)の庭HP_貴船菊・尾花




  尾花 
   貴船菊 
    杜鵑(ほととぎす)  
     藤袴 
      紫紺野牡丹


    (魚篭籠花入れ)





                                 ↑  音霧 さんの作品


尾花 も万葉の時代から、“ ススキ ”,“  をばな ”,

(かや) ”,“ み草 の名前で登場します。

   秋の野の  美草(みくさ)刈りふき  宿れりし   
             宇治の京(みやこ)の  仮いおし思ほゆ
                           - 額田王







水引草(みずひきそう)はタデ科の多年草で、

庵の庭のあちこちに繊細な花を咲かせています。

でも、増えすぎるから困るんですよ~ 

夏の終わり頃から、茎の先に紅い小花を穂状につけ、

仲秋頃までは咲いています。

この花穂が進物用の紙糸 「 水引 」 に似ていること

からこの名が付いています。

本来「 草」は不要らしいのですが、紙糸の水引と

紛らわしいためか「水引草」と呼ばれることが

多いようです。


水引草_花

  水引草
  紅い小花  ⇒


水引草
















季(とき)の庭HP_水引




 水引
  藤袴 
   黄如雨露杜鵑(ほととぎす)

         (籠花入れ)





                              ↑  音霧 さんの作品





杜鵑(ほととぎす) はユリ科の多年生草で、

山野の林下や林縁、崖や傾斜地などの日当たりの

弱いところに自生する花です。

花びらの斑点模様が鳥の ホトトギス のお腹の模様

に似ているところから、この名が付いています。


不如帰_花


     杜鵑の花 ⇒



不如帰













季(とき)の庭HP_水引き草・不如帰


 不如帰(ほととぎす)
   水引
       (籠花入)










                           ↑  音霧 さんの作品


鳥のホトトギス は日本では古くから様々な文書に

登場し
 杜鵑不如帰,時鳥,子規 等、漢字表記や

異名も様々です。


  卯の花の 匂う垣根に
  
時鳥 早も来鳴きて
  忍音もらす 夏は来ぬ

      「夏は来ぬ」 作詞:佐々木信綱

でも、

鳥のホトトギス(時鳥) の季語は夏なんですよネ~






野牡丹(のぼたん) はブラジル地方が原産だとか ・ ・ ・

普通によく見かけるのは 紫紺野牡丹 で、

紫色がきれいな牡丹のように美しい花なので、

この名が付いています。

野ボタンx


  紫紺野牡丹の花



野ボタン












季(とき)の庭HP_野牡丹・水引





  
  紫紺野牡丹
    水引

       (籠花入れ)









                               音霧 さんの作品





この花達が終わると、

庵の庭はハナミズキやドウダンツツジの紅葉、

ハクモクレンの黄葉の景色に変ります。

冬の到来までは、まだまだ楽しみが残っています。 





    HP「雅勒の庵」の “ 四季の庭_秋 ” で
   虫の音を聞きながら 秋の花達 ” が観られます 
 こちら




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