スーパームーン(Supermoon)のはずでしたが、
あいにくの曇り空で、見れませんでした。 (>_<)
それでも、
月下美人 が一輪咲きました。
今年、3度目の開花です。
今宵の月も、雲の中
闇夜に、月下美人 の乱れ咲きです。
もうひとつの夜の華
夕顔 の棚にも ・ ・ ・
今年のスーパームーンはあと一回
9月9日だそうです。
スーパームーンの月明かり照らされた
月下美人 を期待したいですネ~
能面師「雅勒(がろく)」が 能楽・能面及び、花木や野鳥・蝶等に関するHP番外編の記事を
“散歩”のような気軽な気持ちで、不定期に掲載しています。
また、暑さが戻ってきました。
“ 緑のカーテン ” が、効力を発揮しています。
“ 緑のカーテン ”と云えば、
昔は 朝顔 や ヘチマ や 瓢箪(ひょうたん)でしたが、
今では食のブームも相まって、“ ゴーヤ(にがうり) ”
が人気ですネ~
ところで、「半蔀(はしとみ)」ってご存知ですか
上半分を外側へ吊り上げるようにし、
下半分をはめ込みとしたものを蔀戸(しとみど)と云います。
そこに、
朝顔 や ヘチマ や 瓢箪の弦を這わせて、
涼を取っていたようです。
いまでは、あまりみられない光景ですが、
元祖 “ 緑のカーテン ” です。
平安時代から始まった
建築用法の 半蔀
こんなイメージです ⇒
今回は、
源氏物語でお馴染みの 「 夕顔 」 に纏(まつ)わる
能楽 《 半蔀 》 の花物語です。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
京都は、北山・紫野(むらさきの)の雲林院(うんりんいん)。
そこに住む僧が、
夏安居(げあんご)の法要(夏の九十日間籠もる座禅行)の
終わりに、毎日供えてきた花のために立花供養を
行っていました。
すると夕暮れ時に女がひとり現れ、
一本の白い花を供えました。
僧が、「ひときわ美しく可憐なその花の名は何か」
と尋ねると、
女は “ 夕顔 ” の花であると告げます。
更に「私は五条あたりに住んでいる者で、
この立花の陰から来ました」 と言い残して、
再び立花の中に消えてしまいます。
⇐ 宝生流で、
夕顔の霊が掛ける
【 節木増 】 の面
鼻の付け根辺りに
節があり、
節からのヤニ後が
景色となっている。
金剛流では、
【 孫次郎 】の
面が掛けられる ⇒
( 他の流派では、【 小面 】、【 若女 】 などが掛けられる )
里の者から
光源氏 と 夕顔の君 の恋物語を聞いた僧は、
さきほどの言葉を頼りに五条あたりを訪ねます。
そこには、昔のままの佇まいで半蔀に夕顔が咲く
寂しげな家があり、
僧が菩提を弔おうとすると、
半蔀戸(はしとみど)を上げて 夕顔の霊 が現れます。
「 能百十番 」(平凡社) より
夕顔の霊は、
かつて、香を焚(た)き染(し)めた扇子に乗せた
“ 夕顔の花 ” を贈った 光源氏 との恋の思い出を語り、
舞(序之舞)を舞うのでした。
「 面からたどる能楽百一番 」 より
そして僧に重ねて弔(とむら)いを頼み、
夜が明けきらないうちにと 半蔀 の中へ戻って
いきます。
そのすべては、僧の夢のうちの出来事でした。
( 観世流は 「 はじとみ 」 と読みます )
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
雅勒の庵には、 “ 夕顔 ” は有りませんが、
朝と昼の2つの “ 顔 ”が咲いています。
⇐ 朝の顔
【 朝顔 】 です。
庭が狭い時は
盆養作り が
いいですネ ⇒
意識して、植えたのではないのですが、
いつからか咲くようになりました。
⇐ 昼の顔
【 昼顔 】 です。
ちなみに、夕暮れ時から咲きだし、
翌朝には萎んでしまう 【 夕顔 】 とはこんな花です。
⇐ 白ウリの花を
【 夕顔 】 と云うよう
です。
干瓢(かんぴょう)に
する丸ユウガオとは
違う種類のようです。
( Webサイトより借用 )
源氏物語の 「 夕顔 」 は
こんなイメージだったんでしょうネ
朝・昼・夕 ときたら、
やっぱり “ 夜の顔 ” もあるのかな
と思ったら、有りましたヨ~
観賞用の
【 ヨルガオ 】 ⇒
( Webサイトより借用 )
ヨルガオのことを「ユウガオ」という人も多いよう
ですが、ウリ科の「ユウガオ」と異なり、ヒルガオ科
で観賞用だそうです。
来年は、
朝・昼・夜 と、三つの顔の花を揃えてみたいですネ~
< シリーズ : 能と面の花物語 >
・ 第4回 能楽「杜若」 と 菖蒲? ’11 6/17 ☞ こちら
・ 第3回 能楽「石橋」 と 牡丹 ’11 5/ 6 ☞ こちら
・ 第2回 能楽「桜川」 と 桜 ’11 4/ 1 ☞ こちら
・ 第1回 能楽「東北」 と 梅 ’11 3/11 ☞ こちら
雅勒
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