正月も “ 松の内 ” が過ぎると、気分的にも普段の日常が戻って来る様な気がしますネ~

えっ、
「 もう、とっくに 日常が始まっている ! 」 って  ・ ・ ・  
                              m(_ _)m

まっ、それは置いといて


松の内 というのはお正月の 松飾り を付けておく期間を云い、
最近では1月の7日まで のことをいうようですが、
本来は、小正月の15日までを 松の内 といいます。

江戸時代には、徳川幕府や諸藩から能楽師が抱えられ、正月などの祝賀の席では常に能や狂言が演じられていたそうですヨ~



今日は、
新年の にちなみ “ 相生(あいおい)の松 ” で知られている祝言能 《 高砂(たかさご) 》 のお話を少し ・ ・  ・

能絵_高砂







作者は世阿弥(ぜあみ)で、古今集にある
高砂 住の江の松も あひおいのやうにおぼえ』 を
原題としています。

昔から所の名木である を夫婦に見立て、相生の夫婦と祝い、
さらに国土安穏(こくどあんのん)・御代長久(みよちょうきゅう)を祝っています。

相生の松
        高砂市の高砂神社の相生の松 (web画像)

姥koushijyo








 【小牛尉(こうしじょう)】          【(うば)】   


また、後シテの住吉明神の謡には、
 
   われ見ても 久しくなりぬ 住の江の 
          岸の姫松 幾夜経ぬらん

 
その返歌である、
 
   (むつ)ましと 君は知らずや 瑞籬(みずがき)の 
               久しき代より 祝いそめてき

と、伊勢物語 からも引用がされています。


でも、
結婚式の祝言によく謡われる部分は、
 
   高砂や此(この)浦船に帆をあげて
        ・ ・ ・  早住の江に着きにけり
 
ですが、
能の中ではワキの待謡(まちうたい)なのです。

高砂の浦を出帆し住吉に着くまでの景色を謡った
もので、めでたい言葉はこの中からは感じられませんネ~


一説には、
徳川幕府時代に 高砂 の松が重用されて、
徳川 松平(徳川の本名)
        松 松は常盤 徳川の世の永続 
を願って、正月の幕府の謡初めでは、
 
    四海波静かにて 國も治まる時つ風  ・ ・ ・
 
から謡始める習いがあったようです。

これに顧慮(こりょ)して、庶民は待謡から始めたため、
「 高砂や~ 」 が祝言の謡となったとも言われています。




庵の松

  雅勒の庵の松は、
 “盆栽崩れ”の松です (笑)











ところで、
特有の芳香のある、松脂(まつヤニ) の香りって好きですかぁ~ 
                                
油絵の絵具の匂いを思い出しませんか 


でも、松脂
香水の成分の一つとして、主成分のテレビン油が用いられるそうです。

また、ギリシャのレッチーナ(Retsina)というワインは
松脂を香料として加えているそうですから
そんなに、毛嫌いする香りではないようですネ。

フランスには 松脂の香りのキャンディーがあったり、
松葉エキスを含む禁煙キャンディーも有るそうですから、
いずれ禁煙に臨む(まだ先ですが・・・)雅勒としては強い味方になりそうです。


日本でも、
錦松梅(きんしょばい)に入れる 松の実 も忘れてはいけませんネ~

ついつい、
香り ” から の方にいってしまう、雅勒 でした。







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