雅勒の散歩路

能面師「雅勒(がろく)」が 能楽・能面及び、花木や野鳥・蝶等に関するHP番外編の記事を
“散歩”のような気軽な気持ちで、不定期に掲載しています。

花物語

クロッカスの花物語 5

クロッカス の花が咲き始めました。

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      黄色のクロッカスの花言葉「私を信じて」


早春の陽を受けて花開く様子は、

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     紫のクロッカスには「愛の後悔」の花言葉


まばゆいばかりで、
小さいながらも存在感があり春の訪れを

感じさせてくれます。

待ち焦がれた春の最初に咲く花言葉は

「 青春の喜び 」・「 切望 」だそうです。


クロッカス ” に纏わる

ギリシャ神話が二つあります。
 美少年のクロッカスと、
 羊飼いのスミラータは恋に落ちます。
 二人の恋を、神々は許しませんでした。
 二人は引き裂かれ、
 クロッカスは自ら命を絶ってしまいます。
 それを知ったスミラックスも又、
 後追いで命を絶ったという
 悲しい物語です。
 それを知り哀れんだ、花の女神フローラは、
 青年をクロッカスの花に、
 スミラックスのはトリイバラの花に
 変えたという神話です。
もう一つは、
 伝令神ヘルメスは、ある冬の晴れた日、
 婚約者のクローカスと
 一面銀世界の中を遊び楽しんでいました。
 日が沈み風も出てきた頃、急いで帰り支度をします。
 クローカスをソリに乗せ、
 次に自分が乗ろうとした瞬間に突風が吹き、
 クローカスを乗せたソリが谷底めがけて
 落ちていってしまいました。
 あわてて追いかけますが追いつけません。
 そのうち見失ってしまいました。
 やっとのことで見つけたクローカスの姿は、
 谷底に横たわる血だらけの姿でした。
 ヘルメスは、
 あらゆる手を尽してもクローカスを
 生き返らせる事はできませんでした。
 翌年の冬、
 クローカスのことが忘れられないヘルメスは、
 再びクローカスが亡くなった谷へ行きました。
 そこには、美しい花がたくさん咲いていました。
 ヘルメスはこの花に二人の愛の証として
 “ クロッカス(crocus) ” と
名前をつけたのです。


どちらも悲しい恋の物語です




クロッカス は、

古代ギリシャにすでにあった花で
“ 愛を秘めた花 ” と云われ、

結婚式に用いられていました。



今日は雨模様

クロッカス の花は、

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花片は閉じたままです。


一雨ごとに、春が深くなっていきます。




カサブランカ、花物語 5

関東地方の梅雨明けが真近に迫りました。

鬼百合











                 オニユリ

夏の花も ・ ・ ・


対照的な、純白の カサブランカ  も ・ ・ ・

カサブランカ_蕾












オリエンタルハイブリッドと呼ばれる百合で、

日本に自生する山百合と鹿の子百合等を

交配して作られたそうです。


芳しい香りと気高い花姿が人気で

ユリの女王と称えられています。

カサブランカ_開花



カサブランカ とは、スペイン語の

Casa(家) Blanca(白い)という言葉から、

「 白い家 」 を象徴とする百合の名前です。


純白の大輪の花がうつむき加減に咲く様子から

地中海沿岸の白い家並みが想像されます。


カサブランカ



同名のアメリカ映画に、

モロッコの古都カサブランカを舞台にした

ハンフリー・ボガートとイングリット・バークマン

主演の悲恋の物語がありますよネ~


ハンフリー・ボガートによる名台詞(セリフ)

君の瞳に乾杯 」 で知られる、

映画史上屈指の名作です。


  第2次世界大戦下、
  ナチスから逃れ、アメリカへ渡るためには
  必ず通らなければならない寄港地だった
  フランス領モロッコのカサブランカ。
  
  そこで酒場を営む
  アメリカ人リック (ボガート) の元に、
  パリで突然消えてしまった恋人の
  イルザ (バークマン) が、
  夫で反ナチス活動家のラズロを伴って
  現れる ・ ・ ・


映画「カサブランカ」









アカデミー賞で、

作品賞・監督賞・脚本賞の3部門を受賞した

名作です。



スペイン語で 「 白い家 」 の百合、

映画 『 カサブランカ 』 のラブロマンスと重なり

この百合の人気が倍加したんでしょうね~ 



ノウゼンカズラの花物語 5


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           ノウゼンカズラ


花の形がラッパに似ているところからから、

アメリカでは ラッパクサ と呼ばれています。

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立派な人の名誉を讃え、表彰する時には

ラッパを鳴らすところから、

名誉 」 と言う花言葉が生まれたようです。


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漢名は 凌霄花(りょうしょうか) で、

「凌」は ” しのぐ ”、 「霄」は ” そら ” の意味で、

まさに、つるが木にまといつき

天空を凌ぐほど高く登る様です。

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西洋の伝説に、

ノウゼンカズラに関するこんな話があります。


  ノウゼンカズラは 地を這う美しい花でしたが、
  鮮やかな花を咲かせるノウゼンカズラの姿に
  恋心を抱いた松の木が勇気を出して
  ノウゼンカズラにプロポーズしました。

  ノウゼンカズラは それを受け入れ
  たくましい松の木に絡みつき
  花を咲かせるようになりました。

  しかし、ノウゼンカズラは恋多き乙女。
  自由自在に蔦を伸ばし、杉や檜の木にも
  絡みつき花を咲かせるようになりました。

  松の木は毎日不安な日々を過ごし、
  すっかり憔悴してしまいました



この伝説が由来となり、

「女性らしさ」「華のある人生」「豊富な愛情」などの

花言葉もあるようです。

ちなみに、松の木の花言葉は「同情」「憐み」。

どうやら、この伝説が関係しているようですね。


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中国では、この花が咲くと、

梅雨明けの合図と言われているそうですが

今年の梅雨開けはいつになるのでしょうか~ 




柊(ヒイラギ)の花物語 5

今日、2月3日は節分です。


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節分の日には

(ヒイラギ)を飾る習わしがありますよネ。

は文字通り、

の木花で、モクセイ科の常緑樹です。


柊(ヒイラギ)



冬の初めに甘い香りの白い花を咲かせることから、

柊(ヒイラギ)の花
 
         この時期でも、まだ咲いています


柊の花 は冬の季語になっています。



では、

どうして 節分 と関係があるのでしょうか?



かつて、

神々は常緑の木に降りてくると信じられていました。

そこで、いにしえの人々は森へ出かけると、

神さまを招く為の一枝を

手折って持ち帰ってきました。


艶を帯びた緑の葉をつけた枝は生命力にあふれ、

冬の光を集めて輝きを放ちます。

その枝を、

人々は髪や襟元に挿し、壷に立てて飾ったのです。

常緑樹の葉を神の「よりしろ」とする信仰は、

神事に使う榊や、

神木として植えられるオガタマノキなどが

今に受け継がれています。


そして

葉の鋭い棘が邪悪なものを遠ざけるものとして、

家の門や出入り口、鬼門などに植えられ、

庶民にも親しまれてきたのです。




京都にある比良木神社(ひらぎじんじゃ)は、

古来より厄除けの神として崇敬され、

祈願が叶うとお礼に

何らかの木を献上する習わしなのですが、

不思議なことに

何の木を植えても の木に変じてしまうことから

何でも 」と呼ばれ、

京の七不思議に数えられてきました。

今も、 

玉垣の内外に植えられたモクセイの木が、

ほとんど鋸のような葉を茂らせ

ヒイラギ化しているそうですよ~   (@_@)


昔の人々は献木が柊になるかどうかで、

祈願の成就を占ったのだとか。


社伝によると、

御祭神の素戔鳴命(すさのおのみこと)

荒ぶれた武神であることから

棘を持つ に結びつき、

また同神がイワシを好んだことから

伝承の節分行事が生まれたとされる そうです。



西洋にも、

クリスマスに飾る赤い実をつけた西洋ヒイラギの

葉があります。

西洋ヒイラギ








               冬の初めに赤い実を付けます

には

洋の東西を問わず強い生命力と霊力を尊ぶ、

人々の伝承信仰が今も宿っているようです。



今朝、食べたイワシの頭を

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の枝に刺して、玄関に飾ってみましたぁ~

厄除け効果はありますでしょうか ?




明日から ” 立春 ” 、種まきの季節到来です。

夕顔と瓢箪の種











夕顔瓢箪(ひょうたん) の種まき準備をしました。





蝋梅の花物語 5

この時期、庵の庭に咲く花は

春を告げる 水仙

水仙
















甘いよい香りのする 蝋梅 です。

蝋梅 (2)



蝋梅 は中国原産の落葉低木で、

開花期以外はあまり目立ちませんが、

新春に香り高い花を咲かせる貴重な存在です。


中国では、ウメ、スイセン、ツバキとともに、

「 雪中の四花 」 として尊ばれています。

蝋梅 (1)



中国河南省に、

鄢陵(えんりよう)の蝋梅 」 と云う民話があります。


  昔、中国の鄢(えん)の地に小さな国があり、
  王は花園に様々な草木を集め、
  なかでも蝋梅を愛好していました。

  でも、その花に香りがありませんでした。
  残念に思った国王は、
  「 今度の冬までには香りのある蝋梅を作れ 」
  と庭師たちに命じました。

  やがて冬が来て、蝋梅の蕾をつけた枝に
  雪が積もる時期になっても、
  庭師たちには、何の打つ手も見つからず、
  困りきっていました。

  或る日、1人の物乞いが、
  いやな匂いのする花のついた梅の枝を、
  片手に何本か持って、無理やり花園に入ろうと
  した時、門番が殴りつけたのを見て、
  庭師たちは駆けより物乞いにお金を握らせ、
  出ていくようにと話しました。
  すると物乞いは、
  手にしていた梅の枝を庭師たちに渡し、
  「 この枝は蝋梅と深い縁がある 」 と言い残して、
  どこへともなく立ち去りました。

  庭師たちは、
  きっと神仙が助けにきてくれたのだと思い、
  その枝を早速、蝋梅に接ぎ木をしました。

  雪景色のなかで、蝋梅の黄色い花が咲くと、
  たしかに強い香りが漂い
  国王も、これには大変満足しました。
  
  それ以来、鄢陵
(えんりよう)の蝋梅は、
  よい香りのする花として有名になったそうです。



蝋梅 の花言葉は、” 慈愛 ” だそうです。

物語の

物乞いへの気持ちからきているんでしょうね~



童話も書いた小説家 「 芥川龍之介 」  も

蝋梅 の花を愛し、幾つかの俳句を詠んでいます。

  蝋梅や 雪うち透かす 枝のたけ
                 芥川竜之介




雪中の蝋梅 ” もさぞ素晴らしいでしょうネ~




新作の能面に、蝋梅 を添えてみました。


能面と蝋梅


般若心経の冒頭に、「観自在菩薩」とあります。

慈愛 ” あふれる 観音さまのことです。



??  般違いですかね~  (笑)




アガパンサスの花物語 5

梅雨の時期に花開く アガパンサス

アガパンサス



夏の花にふさわしく直立した花茎の先に

淡青紫色を基調とした小花が開き、

アガパンサス_咲始め











花色花形ともに気品と清涼感が

アガパンサス(2)


見ている人を楽しませてくれます。



アガパンサス (Agapanthus)の花の由来は、

ギリシャ語の「agape(愛)」と「anthos(花)」が

語源となって、「愛の花」と云う意味だそうです。


花言葉も 愛の花 という意味をもつ

アガパンサス の名前にちなんだものとなり、

「 恋の訪れ 」 ラブレター 」 の花言葉が

つけられました。

もう一つの花言葉 知的な装い は、

淡青紫色の涼しげで繊細な花姿に由来すると

いわれます。




アガパンサス の花の誕生の物語は、

ギリシャ神話で描かれています。


  最高神であるゼウスの妻「女神ヘラ」には、

女神ヘラ










           ヘラの像



  イリスという侍女がいました。
  ヘラは、イリスのことを凄く可愛がっていました。

  また、それはゼウスも同じだったようです。


ゼウス










             ゼウスの像


  しかし、ゼウスは主としてではなく、
  恋愛感情を抱いてしまっていたのです。

  その求愛に、
  ヘラの侍女であるイリスは困り果ててしまい、
  ヘラに相談することにしました。

  そしてイリスは
  「 私をどこか遠くに行かせてください! 」 と
  ヘラに頼みます。

  ヘラは願いを聞き入れて、
  神の酒をかけてイリスは虹の神となりました。




そのイリスにかかった酒のが地上に落ちて、

咲いた花が アガパンサス とされています。


アガパンサス の花言葉が恋愛がらみなのもの

が多いのは

ギリシャ神話から来ているのかもしれませんね。 




秋花にみる源氏物語 - 杜鵑 - 5

秋に咲く、" ホトトギス " の花

ホトトギス_10.09

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花びらには小紫点が多数あり、その模様が

ホトトギス_10.07


鳥のホトトギス(杜鵑、時鳥、子規、不如帰とも)の羽根や

腹の斑紋に似ていることが名の由来となっています。

ホトトギ_鳥














鳥類の ホトトギス

古来より「霊長」とされていたため、

花もまた格調高い花として茶花や生け花に古くから

よく用いられているようですネ~



鳥の ホトトギス の声を聞くと、

物思いや懐旧の情をかき立てられるといわれ、

  橘の花散る里の 時鳥 片恋しつつ鳴く日しぞ多き 
                   『万葉集』巻3・大伴旅人

などと詠まれています。



光源氏 の詠んだ歌

  橘の香をなつかしみほととぎす
     花散る里をたづねてぞとふ


に因む
源氏物語 』 「花散里(はなちるさと) 」の巻では

  ただならず、「ほど経(へ)にける、おぼめかしくや」と、
  つつましけれど、過ぎがてにやすらひ給ふ、
  折しも、ほととぎす 鳴きて渡る。
  もよほし聞こえ顔なれば、
  御車おし返させて、例の、惟光(これみつ)入れ給ふ。

    をちかへりえぞ忍ばれぬほととぎす
         ほの語らひし宿の垣根に

   昔にたちかえって懐かしく思わずにはいられない、
     ほととぎすの声だ。

     かつてわずかに契りを交わしたこの家なので



源氏の君はホトトギスに促されて、

心を決めたようです。



   先々も聞きし声なれば、
   声(こわ)づくりけしきとりて、御消息聞こゆ。
   若やかなるけしきどもして、おぼめくなるべし。

     ほととぎす言問(ことと)ふ声はそれなれど
         あなおぼつかな五月雨(さみだれ)の空


    ( ホトトギスが鳴く声ははっきり分かりますが
     
どのようなご用か分かりません、
     五月雨の空のように
。)




夏に渡来する夏鳥で、

夜遊び好きな ホトトギス の " 忍び音 " は、

なぜか、光源氏 と重なりますネ~ ( 笑 )




 < 過去の関連記事 >     

  ・ 秋花にみる源氏物語 - 藤袴 -     ’16 10/4  ☞ こちら
  ・ 秋花にみる源氏物語 - 吾亦紅 -   ’16 9/30  ☞ こちら    
  ・ 秋花にみる源氏物語 - 小式部 -  ’16 9/28  ☞ こちら   
 
 ・ 秋花にみる源氏物語 - 段菊 -    ’16 9/26  ☞ こちら




秋花にみる源氏物語 - 藤袴 - 5

庵の庭の 吾亦紅 が終わり、

キク科の " 藤袴(ふじばかま) " が

茎の先端に小さな花を広げ始めました。

藤袴














日本には奈良時代に中国から渡来し野生化した

と言われている秋の七草のひとつです。


平安時代には、

吾亦紅 とともに香り花として親しまれたようです。



源氏物語 第三十帖 の巻名にもなっている

" 藤袴 " です。


藤袴(1)



光源氏の長男の夕霧が玉鬘(たまかずら)に、

この花を贈って求愛する場面に登場します。


  御簾のつまよりさし入れて、 
   「 これも御覧ずべきゆゑはありけり」とて、
  とみにも許さで持たまへれば、
  うつたへに思ひ寄らで取りたまふ御袖を、
  引き動かしたり。

源氏物語絵巻











    同じ野の露にやつるる藤袴
        あはれはかけよかことばかりも

    
あなたと同じ野原で露に濡れて萎れている藤袴です。
     せめて、かわいそうだといって同情の言葉をかけて
     やってください。



  「 道の果てなる」とかや、
  いと心づきなくうたてなりぬれど、
  見知らぬさまに、やをら引き入りて、

  ・ ・ ・

            源氏物語 第三十帖 藤袴 第四段




この時代の " 藤袴 " は 「 蘭の花 」 と呼ばれ、

現代の「 蘭 」 に似た芳香を放つ植物とされていた

ようです。

藤袴(2)




生のままでは香りがないのですが、

葉や茎を乾かすとクマリンという芳香成分を放ちます。


中国では

蘭草・香水蘭とも呼ばれ浴槽の湯に浮かべてたり、

香り袋にして身に付けたといいます。




 < 過去の関連記事 >     

  ・ 秋花にみる源氏物語 - 吾亦紅 -   ’16 9/30  ☞ こちら    
  ・ 秋花にみる源氏物語 - 小式部 -  ’16 9/28  ☞ こちら   
 
 ・ 秋花にみる源氏物語 - 段菊 -    ’16 9/26  ☞ こちら

秋花にみる源氏物語 - 吾亦紅 -  5

庵の庭の " 吾亦紅(われもこう) " 、

そろそろ終わりに近づいています。

吾亦紅


よく見ると、ツクシの頭のような面白い花姿ですが

吾亦紅_UP
















バラ科なんですよネ~ (@_@)


ワレモコウ 」 と云う名前も、ユニークですネ~


この名が初めて出てきたのは 『 源氏物語

だそうです。


  秋は世の人のめづる女郎花 (おみなえし)
  小牡鹿 (さおしか) の妻にすめる萩の露にも、
  をさをさ御心移したまはず、老を忘るる菊に、
  衰へゆく藤袴、

  ものげなきわれもかうなどは、
  
これと言って面白くもないワレモコウなどは、

  いとすさまじき霜枯れのころほひまで思 (おぼ) し捨てずなど、
  わざとめきて、香にめづる思ひをなむ、
  立てて好ましうおはしける


                   源氏物語』 匂宮 (におうのみや)



匂宮(今上帝と明石中宮の子

(光源氏と朱雀院の女の宮の子に対抗意識を燃やして、

ありとあらゆる薫香を集め、

四季折々に焚き染めて薫と競争したようで、


匂宮は香の無い女郎花や萩には興味を持たず、

芳香のある梅、菊、藤袴、吾木香(われもこう)を好んだ。

と、あります。



平安の時代から

秋花の吾木(われもこう)  藤袴(ふじばかま)は香り花として

吾亦紅と藤袴
                吾亦紅 と 藤袴


親しまれていたようです。






 < 過去の関連記事 >  
   

  ・ 秋花にみる源氏物語 - 小式部 -  ’16 9/28  ☞ こちら    
  ・ 秋花にみる源氏物語 - 段菊 -    ’16 9/26  ☞ こちら


秋花にみる源氏物語 - 小式部 -  5

秋花で " 源氏物語 " を一番感じるのは

やはり、「 ムラサキシキブ でしょうネ~ 


ムラサキシキブ という花の名前の由来は、

平安時代の古典文学 源氏物語 の作者「紫式部」

なのですが、

これは元々、この植物が 「 ムラサキ シキミ 」 と

呼ばれていたところから変化したものと云われて

います。

群がるようにつく果実の様子を 「 重実(しげみ) 」 など

と呼び、そこから転訛(てんか) して紫色のシキブと

なったという説もあります。



普通に庭などで見られる " ムラサキシキブ " は、

「 紫式部 」 さんではなく、

和泉式部の娘の 「 小式部 : 小式部内侍 」 さん

らしいのです。



そう、 " コムラサキ " です。


紫式部















庵の庭に実るムラサキも、この " コムラサキ " で

紫式部(2)


別名を " 小式部 " ともいいます。


" ムラサキシキブ " と " コムラサキ:小式部 " は

近縁種で、ちょっと見分けにくいかもです。



見分け方は、葉の大きさと実の付け方です。

葉の大きさ









ムラサキシキブ ↓
ムラサキシキブ_sumire28のつれづれなるままに・






 葉の全体に
 鋸歯がある



 Web より借用


" コムラサキ " は " ムラサキシキブ " より

実付きが良く、より美しく華やかなのです。


植物の世界では、

紫式部さんより小式部さんの方が、より華やかで

美しさがあるようですネ~ 





 < 過去の関連記事 >     
    
  ・ 秋花にみる源氏物語 - 段菊 -   ’16 9/26  ☞ こちら


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