GW、真っ最中なのに

今年は、牡丹 がもう終盤を迎えています。


派手な 牡丹 と裏腹に、

小さくて控えめな " 卯月の花 " も玄関脇で

咲いています。


そう、" 卯の花 " です。

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卯の花 は空木(うつぎ)の別名で、

空木花 」の中間を略した呼び名とも言われています。


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  茎あるいは枝が
  中空の樹を
  一般に○○ウツギと
  呼ぶ






旧暦の卯月(現在の暦では5月初旬の立夏から6月頃)

花が咲くという意味で、卯の花 と呼ばれます。



 ♪ 
卯の花 のにおう垣根に 
     ほととぎす はやも来鳴きて
    しのび音(ね)もらす夏は来ぬ
 ♪

の歌でもよく知られている花です。


夏は来ぬ♪












今まさに、空木の花の咲く季節で、

万葉の時代から現在まで大変親しまれていす。


   
五月山 卯の花月夜 ほととぎす
 
  聞けども飽かず また鳴かぬかも
                  万葉集

   5月の山で卯の花の咲く美しい夜に聞く
   不如帰の声は幾度聞いても飽きず、
   また鳴かないかなぁ~



多くは夏鳥の不如帰(ほととぎす)とともに詠まれています。


昔から 卯の花 は夏の到来を告げる花として

親しまれていたようで、

咲き出すと、不如帰が南からやってくるので、

江戸っ子は不如帰の初音を聞き、

初ガツオを食べると自慢できたと言います。


ちなみに、秋に咲く花の 不如帰

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こんな花です。



夏は来ぬ の二番の歌詞では、

 ♪ 五月雨(さみだれ)のそそぐ山田に
     早乙女(さおとめ)裳裾(もすそ)濡らして
    玉苗(たまなえ)植うる 夏は来ぬ
 ♪


山村での田植えの様子が描写されていますね。

古くは 卯の花 の咲きぐあいで

その年の豊凶を占ったといい、

多い年は豊作と考えられていたようです。


これは、

卯の花が春から初夏への季節の変わり目に咲き、

また白く目だつことから、

暦の普及していなかったころに季節を知る

重要な花であったようです。


また、

卯の花 には邪鬼や悪霊を追い払う力があると

思われていたため、

境界樹の垣根などとして植栽されていたようです。