この時期、庵の庭に咲く花は

春を告げる 水仙

水仙
















甘いよい香りのする 蝋梅 です。

蝋梅 (2)



蝋梅 は中国原産の落葉低木で、

開花期以外はあまり目立ちませんが、

新春に香り高い花を咲かせる貴重な存在です。


中国では、ウメ、スイセン、ツバキとともに、

「 雪中の四花 」 として尊ばれています。

蝋梅 (1)



中国河南省に、

鄢陵(えんりよう)の蝋梅 」 と云う民話があります。


  昔、中国の鄢(えん)の地に小さな国があり、
  王は花園に様々な草木を集め、
  なかでも蝋梅を愛好していました。

  でも、その花に香りがありませんでした。
  残念に思った国王は、
  「 今度の冬までには香りのある蝋梅を作れ 」
  と庭師たちに命じました。

  やがて冬が来て、蝋梅の蕾をつけた枝に
  雪が積もる時期になっても、
  庭師たちには、何の打つ手も見つからず、
  困りきっていました。

  或る日、1人の物乞いが、
  いやな匂いのする花のついた梅の枝を、
  片手に何本か持って、無理やり花園に入ろうと
  した時、門番が殴りつけたのを見て、
  庭師たちは駆けより物乞いにお金を握らせ、
  出ていくようにと話しました。
  すると物乞いは、
  手にしていた梅の枝を庭師たちに渡し、
  「 この枝は蝋梅と深い縁がある 」 と言い残して、
  どこへともなく立ち去りました。

  庭師たちは、
  きっと神仙が助けにきてくれたのだと思い、
  その枝を早速、蝋梅に接ぎ木をしました。

  雪景色のなかで、蝋梅の黄色い花が咲くと、
  たしかに強い香りが漂い
  国王も、これには大変満足しました。
  
  それ以来、鄢陵
(えんりよう)の蝋梅は、
  よい香りのする花として有名になったそうです。



蝋梅 の花言葉は、” 慈愛 ” だそうです。

物語の

物乞いへの気持ちからきているんでしょうね~



童話も書いた小説家 「 芥川龍之介 」  も

蝋梅 の花を愛し、幾つかの俳句を詠んでいます。

  蝋梅や 雪うち透かす 枝のたけ
                 芥川竜之介




雪中の蝋梅 ” もさぞ素晴らしいでしょうネ~




新作の能面に、蝋梅 を添えてみました。


能面と蝋梅


般若心経の冒頭に、「観自在菩薩」とあります。

慈愛 ” あふれる 観音さまのことです。



??  般違いですかね~  (笑)