先月末に、

彦根・京都の能面探訪をした、最終日は

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 嵯峨野の
    竹林



嵯峨野の能楽の えにし を尋ねました。


嵐山渡月橋の桂川の左岸の少し上流に、

小督(こごう)の局(つぼね)を弔う五輪の石塔があります。

小督の旧跡 DSCF0360[1]








小督の供養塔 DSCF0364[1]
















平家物語 の、

平清盛
によって人生を変えられてしまう、

悲劇の女性が身を隠した地です。



(おもて)から見た、能楽 【 小督(こごう) 】を紹介します。



高倉天皇の深い寵愛を受けていた 小督 の局は、

時の中宮が平清盛の息女、徳子(後の建礼門院)であり、

清盛が 小督 の寵愛を心よく思っていないことを知り、

誰にも知られず嵯峨野の方へ身を隠しました。


天皇はそれを日夜嘆いておられ、

勅命で弾正大弼(だんしょうだいひつ)源仲国に、

小督 を探し出してくるよう命じます。


仲国は、名月の元、馬に乗って

「 小督は琴の名手だから 」 と、

琴の音を頼りに嵯峨野を訪ね歩きます。


  地謡

   やがていづるや秋の夜の
   月毛の駒よ心して。雲井にかけれ時の間も。
   いそぐ心のゆくえかな。



------  中入り  ---------


嵯峨野の小督(ツレ)の隠れ家では、

17 【若女】    栗原富美子








    ツレの小督が
    掛ける【 若女




                                  栗原さん作品 【 若女



悲しい思いを琴の音でまぎらわそうと、

折からの名月に向かって琴を弾きます。


片折戸をしたところというだけが目当てなので、

捜しあぐねます。


やがて法輪寺のあたりで、

「 夫を想いて恋うる、想夫恋(そうぶれん)  を弾く

琴の音を聞きます。


c11-1[1]










案内を請いますが、なかなか家に入れてくれません。

柴垣のもとで露にしおれている仲国を見て、

小督 のトモがとりなし、


小面






   小督のトモが
   懸ける 【 小面







小督 仲国 はようやく対面します。


仲国から、帝の衰えた様子を聞き、

御書を受けとった 小督 はその心を想い、

涙を流します。


その後酒宴になり、

仲国はなごりを惜しみ、笛を吹き、舞をまい

小督 は琴を奏でます。

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      当時
   使われていた
   楽琴(がくそう)



仲国は、「 直ぐに迎えが来ますから 」 と言い残し、


小督 に見送られて都に帰ります。



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この名所の近くに、天龍寺があり


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 天龍寺の
    庭園




ここの別院の法堂では、

八方睨みの雲龍図が一般公開されていました。

天龍寺_雲龍図















因みに、

平安時代、琴は龍の象徴とされ、雅楽でも使われ、

現在の箏の部分の名称として龍頭や龍尾などの

名残があるそうですよ~