昨年、

同じ能面師の方に狂言面の 【 (とび) 】 の型紙を

さしあげたお礼に、胡桃の実を沢山頂きました。

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こんなに沢山、実を割って食べるのか? って ・ ・ ・


いえいえ

胡桃 はタンニンを多く含んでいる植物なので、

能面に古び付けをする 古色液 にも使います。




古くは、奈良・平安の時代に

写経紙の染紙に使われていたようです。


源氏物語 』 や 『 枕草紙 』 にも

 「 高麗の胡桃色の紙に ・ ・ ・ 」          源氏物語

 「 胡桃色といふ色紙の厚肥えたるを、・・・ 」   枕草紙

などと書かれています。





胡桃の実 を覆っている果皮をはがします。

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胡桃の果皮










胡桃の実




    胡桃 の実







剥がした果皮を水に浸すだけで、すぐに色が出ます。

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煮沸すること、約1時間

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2瓶の古色液が出来上がりです。



ヤシャブシの古色液と比べてみると


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胡桃 の方が、やや灰みの黄褐色です。
 ( ヤシャブシの方が赤みが強い )



今年のテーマ面、【 (しかみ) 】 の彩色に

顰_赤鶴










         赤鶴作_【



赤味を抑えた 灰みの黄褐色 がピッタリです。







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   ・古色液を作る         ’11  2/28  こちら
   ・ヤシャブシ って??    ’10  5/22  こちら