NHK大河ドラマ 平清盛 も、
いよいよ大詰めを迎えましたネ 



今回は、平家物語 剣の巻 に出てくる
源頼光 ( みなもとのよりみつ : 謡の中では らいこう  ) が、土蜘蛛(つちぐも)の精を退治する話を載せてみました。



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武勇の誉れ高い源頼光(らいこう)が病にふせているところ
へ侍女の胡蝶(こちょう)が薬をもって見舞い、カづけますが一向に快復のきざしが見られません。

小面







    ツレの胡蝶が
    懸ける【小面






心身ともに衰弱した頼光は、死期を待つのみ と 嘆きます。



夜半すぎ、まどろむ頼光の枕元に、あやしい僧が現れ

  「 我が背子が 来べき宵なり ささがにの、
           蜘珠のふるまい かねてしるしも 」

と古歌を詠じ、
汝の身を苦しめるのは我なりとばかりに千筋(ちすじ)
糸を吐きかけ頼光に迫ります。


頼光が枕元の名刀膝丸(ひざまる)を抜き放って斬りかかると蜘蛛の化身は消え失せます。


            ・ ・ ・


駆けつけた従者・独武者(ひとりむしゃ)は、
他の従者たちを連れて土蜘蛛の跡を追い
大和葛城山中に土蜘蛛の古塚を見つけだします。


顰(しかみ)





  後シテの土蜘蛛の精が
  懸ける【 (しかみ)
の面





塚を崩しにかかると、土蜘蛛の精は火焔を発し、
千筋の糸を吐きかけ激しく抵抗しますが、

土蜘蛛_「能百十番」平凡社









 
              「能楽百十番」平凡社 より


能楽・土蜘蛛



   桜川能
   《土蜘蛛





遂には土蜘の精を斬り伏せます。


                   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


頼光の病気はその後すぐに回復し、
土蜘蛛を討った名刀 膝丸 は以来、「 蜘蛛切 と呼ばれます。

そして、この土蜘蛛の正体は、
神武天皇が討った土豪の土蜘蛛の怨霊だったという説話の能でした。




後半の土蜘蛛退治は蜘蛛の巣が飛び交い圧巻です。

見た目にも華やかなショー的な能で、物語も劇的で
詞章(ししょう)もわかり易く人気曲で、野外能でも上演が多いようです。


お正月の催し物には、ピッタリかもしれませんネ 




ここで、
大河ドラマにも度々登場する、源氏重代の刀 友切 ですが、
歌舞伎の  戻橋 等でお馴染み、四天王の渡辺綱
(わたなべのつな)が京の一条戻橋で鬼の腕を斬った時に
使われたのがこの刀なんです。

katanatyu[1]




元々は
  髭切 と呼ばれていた物を戻橋の一件で 鬼切  
為義の頃には
夜に獅子の鳴くような声で吠えたので 獅子ノ子

更には長さの違う兄弟刀の長さが短くなったのがこの刀の仕業と 友切 」、

と次々と名前が変わっていったようです。




源氏のルーツは清和天皇にありますが、
初めて武士団を形成したのは、天皇の孫にあたる
源満仲(みなもとのみつなか) であったと云われています。

その 満仲 の長子が 源頼光 で、父の摂津国多田(兵庫県川西市多田)の地を継ぎ、摂津源氏の祖となりました。



かなり前ですが、
満仲 に付いて面白い記事を読ませて頂きました。
シャンソン歌手の別府葉子さんのブログです。 

面白いエピソードが載っていますヨ~  ☞  こちら 

意外にも、歴女のようですネ。