「面(おもて)を打つ」_裏面処理 の続きです。
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クイックすると、別窓で開きます。
面裏の漆が十分乾いたことを確認してから、
彩色の “ 下塗り ” にはいります。
下塗り に必要な道具や材料は、
・膠(にかわ)
・盛り上げ胡粉
・乳鉢と乳棒
・平筆(大・小)
・通し(100番)
・ビーカー
・メスシリンダー
・電気コンロ
1).膠液(にかわえき)を作る
鹿膠の原液と
50℃程度の湯
を1:3の割合で
薄める。
埃が入らないように
ラップで蓋をしておく
一般的には、固形の粒膠を60℃の湯で15~20分位で
溶解させた溶液を使いますが、
雅勒の場合は、保存性が高く簡単に溶解出来るゼリー状
の鹿膠(しかにかわ)を使います。
2).胡粉(ごふん)団子を作る
この量で、
一面分の
見当
(木匙、5杯)
小匙で、
5~6杯の
膠液を混ぜる
ボソボソな状態
で胡粉と膠液を
混ぜる
(蕎麦打ちの要領)
団子状に
まとめる
堅さは、
耳たぶ程度
この状態で乳鉢に叩き付けて、胡粉の中の空気を
抜いて、膠とよく絡ませます。
この作業を “ 百叩き(ひゃくたたき) ” と言います。
3).胡粉(ごふん)を膠液(にかわえき)で溶く
手捏(てこね)で
棒状に伸ばす
大豆くらいの
粒に分けて
ぬるま湯を注ぎ
アク抜きをする
水をきり
膠液を注ぐ
指の腹で
胡粉の粒を
膠液に溶かす
100番の“通し”で
濾して出来上がり
4).胡粉液 の濃度を調整する
出来上がった
胡粉液にぬるま湯
と膠液で濃度を
調整
筆先からの
垂れ具合で判断
( 経験的に ・・・ )
5).胡粉液 を木地に馴染ませる
木地に押し付ける
ようにムラ無く塗る
この時の胡粉液は
通しに残った胡粉を
膠液で洗った濃い目
のものを使う
5).下塗り
“ 刷毛返し ” は何度もやり過ぎないで、
胡粉の層を均一に塗る。
全体を “ 横刷毛目 ” に仕上げる様な特殊な彩色をする場合などを除いては、
額から目の部分は横に塗り、鼻・頬は縦塗りで、最後の顎の部分は丸みに沿って塗ります。
初回の
下塗りの直後
6).均(なら)し研ぎ
下塗りを数回行った後に、サンドペーパで
塗りあとを均す。
180番のペーパ
で研ぐ
( ↑ クリックして見て下さい)
目や歯の部分の
胡粉の溜まり を
取り除く
湿った布で
軽く拭き上げる
5)の下塗り と 6)の研ぎ の工程を1セットとして、
3~5セット繰り返して、下塗りが完了します。
【蝉丸】 【曲見】
能面の彩色では、
古色の陰影効果を出すために “ 梨地 ” を付ける場合があります。
強い梨地を付ける場合は、下塗りの完成した時点で最後にスポンジや刷毛で 梨地 を施して置きますが、
女面・男面など繊細な面の場合は、上塗りの時点で 梨地 を施します。
次は、
能面製作の最後の工程の彩色です。
私用するものの名前や工程の言葉などは
私には分かりませんが だんだんと命の息づかいが蘇ってくるような感覚になります。
生きてくるのが見えるというのでしょうか。
ドキッとする面立ちになてきていますね!
何度も魅入ってしまいます。
次の工程が楽しみです♪
百叩き・・実際100叩くのですか?