能楽の祖と云えば、観阿弥(かんあみ)・世阿弥(ぜあみ)親子ですね。


室町時代の初期の頃、
 
観阿弥は観世座を創立したことで知られて、
今日の五大流派の観世、宝生、金剛、金春が「大和猿楽四座」として能・狂言を演じています。
 
この時代が職能集団の出発点であったようです。


観阿弥の子、
世阿弥 は生涯を通じて舞台の を追及して、
数々の伝書を綴っています。

世阿弥像




   世阿弥木像 ⇒
     (入江美法 作)
 
 
 
 

                            別冊「太陽」より

こうして、
世阿弥の撒いた の種は絶えることなく今の世の能舞台に四季折々の美しい を咲かせています。

まさに、
 「 命には終わりあり、能には果てあるべからず 」 
                                                           『花鏡』奥段より
ですネ 


世阿弥が能に対する自分の考えを後継者に伝えるために残した伝書にも、
現代でも生きる言葉が多くあります。


最近、TVコマーシャルでよく耳にする

 「 秘すれば花なり。秘せずば花なるべからず
                                    『花伝』より


   特に凄い演技でなくても、観客が予想していない時に行うと、
  観客に新鮮な印象を与えて大きな効果を発揮する。
  敵に勝つには敵が用心していない時に攻めるのが一番である
  として、秘密にすることの効用を説いている。




雅勒 も好きな言葉で、
私自身もそう有りたいと思っていますが、立場上多くの人に能面の素晴らしさを理解して頂くためには 秘す ” 事の意義を破り、能面製作を普及される事が大事と思い、
この場で能面製作の 彫り 彩色 の過程を随時紹介していこうと思っています。



今、丁度
女面の 曲見(しゃくみ) の彫りが完成しましたので、

曲見_旧金剛家伝来


  モデルにした
  龍右衛門の【曲見】   ⇒



曲見(彫り上がり)_8.07





 彫りの完成


曲見(彫り上がりa)_8.07





曲見(彫り上がりb)_8.07




 頬から顎にかけての
 皺が特徴





次の平敦盛
(あつもり)の面影を写したとされる面、
十六中将 の彫りからほぼリアルタイムで製作過程を掲載します。

 
とは云っても
今週はお墓掃除とか大仕事が待っていますので、
ボチボチ と彫り始めます。






 < 過去の関連記事 >
 
   ・ 【蝉丸】、三分の完成       ’12  7/12  ☞ こちら
   ・ 能楽「東北」と梅          ’11  3/11  ☞ こちら