茨城の紅葉前線も
序々に山間から平地に移動して来る頃です。
今、袋田の滝 の紅葉が見頃に入ったとか ・ ・ ・
くしくも、
震災の日からスタートしたこのシリーズもいよいよ
大詰めに入り、切能(五番目物)の 《 紅葉狩 》 で、
このシリーズを締めたいと思います。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
長月(旧暦9月)と云いますから、新暦では10月です。
燃えるような 紅葉 が美しい、とある山中にて。
夕暮れ時に、
高貴な風情をした女(シテ)が侍女を連れて、
山の紅葉を愛でようと幕を打ち廻らして、
宴を催していました。
そこへ、
馬に乗って鹿狩に向かう 平維茂(たいらのこれもち : ワキ)
の一行が通りかかり、女達を気遣って馬を下り
轡(くつわ)を脱いで通り過ぎようとします。
気づいた女たちに 「 是非ご一緒に 」 と誘われるまま、
宴に加わります。
京都光華女子大のHPより ↑
右端の 維茂 はワキなので、直面(ひためん:面を掛けない)です
高貴な風情の女はこの世の者とは思えぬ美しさで、
維茂 は美女の酌(しゃく)に心躍らせ、酔いに身を
任せてしまいます。
各流儀とも、
【 増女 】を使いますが、
⇐ 艶やかな表情を持つ
【 万媚(まんぴ) 】の面
もふさわしいでしょう。
シアターガイド・なかのZEROのHPより ↑
⇐ 大勢出る、侍女(前ツレ)
は【 小面 】 でツレの分
を守ります。
「能ガイド 90番」(成美堂出版) より ↑
月の光のもと、女が優美な舞い(序之舞,中之舞)を舞う
うちに 維茂 は寝入ってしまいます。
その様子を見届けた女達は、突然に怪しげな様子を
見せて姿を消してしまいます。
ちょうどその頃、
石清水八幡宮に仕える末社(まっしゃ)の神(武内の神)が
その山への道を急いでいました。
その山とは、信濃国戸隠山で、
維茂 を篭絡(ろうらく)した女は、戸隠山の鬼神だった
のです。
さて、維茂 が夢から覚めると、
山中には稲妻が光り雷鳴がとどろき、不気味な風が
吹いていました。
やがて、身の丈一丈(約3m)もの鬼女が姿を現し、
維茂 に襲いかかってきます。
⇐ 後シテ・鬼神を男と解釈
する場合は【 顰(しかみ)】
の面を掛けます。
⇐ 後シテを女の鬼神と解釈
する場合は【 般若 】
の面を掛けます。
PingMagのHPより ↑
“ 鬼揃い ” の場面 「能ガイド 90番」(成美堂出版)より ↑
維茂 は勇敢に立ち向かい、激しい戦いの末に、
みごとに神剣で鬼女を退治するのでした。
登場人物が多く、物語が進むにつれて状況が明らかになる、
と云うスぺクタル劇は子供から大人まで皆で楽しめますネ~
能 《 紅葉狩 》 でした。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
平安時代の頃は、
10月にはもう紅葉時期になっていたのですネ
いまの時代では、
関東以西では11月にようやく紅葉の見られる気候に
なってしまったようです。 (>_<)
庵の庭には、一本の 「 もみじ 」 の木がありますが、
紅葉は期待できません。
そう、“ あおもみじ ” を楽しむ木です。
初夏の
“ あおもみじ ” ⇒
これでは、ちょっと寂しいので
とっておきの画像を披露しますネ。
数年前、千葉の 養老渓谷 の近くで撮影したものです。
“ あおもみじ ” と真っ赤に紅葉した2本の 「 もみじ 」
の木が印象的でした。
“ あおもみじ ” の木の
向こうに紅葉が ・ ・ ・ ⇒
⇐ 裏に
廻ると・・
見事でしたぁ~
< シリーズ : 能と面の花物語 >
・ 第7回 能楽「菊慈童」 と 菊花 ’11 10/20 ☞ こちら
・ 第6回 能楽「井筒」 と 尾花 ’11 9/ 2 ☞ こちら
・ 第5回 能楽「半蔀」 と 夕顔 ’11 8/ 4 ☞ こちら
・ 中間 狂言「千鳥」 と 千鳥草 ’11 6/23 ☞ こちら
・ 第4回 能楽「杜若」 と 菖蒲? ’11 6/17 ☞ こちら
・ 第3回 能楽「石橋」 と 牡丹 ’11 5/ 6 ☞ こちら
・ 第2回 能楽「桜川」 と 桜 ’11 4/ 1 ☞ こちら
・ 第1回 能楽「東北」 と 梅 ’11 3/11 ☞ こちら
序々に山間から平地に移動して来る頃です。
今、袋田の滝 の紅葉が見頃に入ったとか ・ ・ ・
くしくも、
震災の日からスタートしたこのシリーズもいよいよ
大詰めに入り、切能(五番目物)の 《 紅葉狩 》 で、
このシリーズを締めたいと思います。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
長月(旧暦9月)と云いますから、新暦では10月です。
燃えるような 紅葉 が美しい、とある山中にて。
夕暮れ時に、
高貴な風情をした女(シテ)が侍女を連れて、
山の紅葉を愛でようと幕を打ち廻らして、
宴を催していました。
そこへ、
馬に乗って鹿狩に向かう 平維茂(たいらのこれもち : ワキ)
の一行が通りかかり、女達を気遣って馬を下り
轡(くつわ)を脱いで通り過ぎようとします。
気づいた女たちに 「 是非ご一緒に 」 と誘われるまま、
宴に加わります。
京都光華女子大のHPより ↑
右端の 維茂 はワキなので、直面(ひためん:面を掛けない)です
高貴な風情の女はこの世の者とは思えぬ美しさで、
維茂 は美女の酌(しゃく)に心躍らせ、酔いに身を
任せてしまいます。
各流儀とも、
【 増女 】を使いますが、
⇐ 艶やかな表情を持つ
【 万媚(まんぴ) 】の面
もふさわしいでしょう。
シアターガイド・なかのZEROのHPより ↑
⇐ 大勢出る、侍女(前ツレ)
は【 小面 】 でツレの分
を守ります。
「能ガイド 90番」(成美堂出版) より ↑
月の光のもと、女が優美な舞い(序之舞,中之舞)を舞う
うちに 維茂 は寝入ってしまいます。
その様子を見届けた女達は、突然に怪しげな様子を
見せて姿を消してしまいます。
ちょうどその頃、
石清水八幡宮に仕える末社(まっしゃ)の神(武内の神)が
その山への道を急いでいました。
その山とは、信濃国戸隠山で、
維茂 を篭絡(ろうらく)した女は、戸隠山の鬼神だった
のです。
さて、維茂 が夢から覚めると、
山中には稲妻が光り雷鳴がとどろき、不気味な風が
吹いていました。
やがて、身の丈一丈(約3m)もの鬼女が姿を現し、
維茂 に襲いかかってきます。
⇐ 後シテ・鬼神を男と解釈
する場合は【 顰(しかみ)】
の面を掛けます。
⇐ 後シテを女の鬼神と解釈
する場合は【 般若 】
の面を掛けます。
PingMagのHPより ↑
“ 鬼揃い ” の場面 「能ガイド 90番」(成美堂出版)より ↑
維茂 は勇敢に立ち向かい、激しい戦いの末に、
みごとに神剣で鬼女を退治するのでした。
登場人物が多く、物語が進むにつれて状況が明らかになる、
と云うスぺクタル劇は子供から大人まで皆で楽しめますネ~
能 《 紅葉狩 》 でした。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
平安時代の頃は、
10月にはもう紅葉時期になっていたのですネ
いまの時代では、
関東以西では11月にようやく紅葉の見られる気候に
なってしまったようです。 (>_<)
庵の庭には、一本の 「 もみじ 」 の木がありますが、
紅葉は期待できません。
そう、“ あおもみじ ” を楽しむ木です。
初夏の
“ あおもみじ ” ⇒
これでは、ちょっと寂しいので
とっておきの画像を披露しますネ。
数年前、千葉の 養老渓谷 の近くで撮影したものです。
“ あおもみじ ” と真っ赤に紅葉した2本の 「 もみじ 」
の木が印象的でした。
“ あおもみじ ” の木の
向こうに紅葉が ・ ・ ・ ⇒
⇐ 裏に
廻ると・・
見事でしたぁ~
< シリーズ : 能と面の花物語 >
・ 第7回 能楽「菊慈童」 と 菊花 ’11 10/20 ☞ こちら
・ 第6回 能楽「井筒」 と 尾花 ’11 9/ 2 ☞ こちら
・ 第5回 能楽「半蔀」 と 夕顔 ’11 8/ 4 ☞ こちら
・ 中間 狂言「千鳥」 と 千鳥草 ’11 6/23 ☞ こちら
・ 第4回 能楽「杜若」 と 菖蒲? ’11 6/17 ☞ こちら
・ 第3回 能楽「石橋」 と 牡丹 ’11 5/ 6 ☞ こちら
・ 第2回 能楽「桜川」 と 桜 ’11 4/ 1 ☞ こちら
・ 第1回 能楽「東北」 と 梅 ’11 3/11 ☞ こちら
PCは本当にわからない(><)
でも良かったです^^
「紅葉狩」面白そうですね。
あなたを知ってから、お能に興味が湧きました。あなたの紹介の仕方も上手なのでしょうね^^
社会の学習で世阿弥・観阿弥を知ったけど、それっきりで・・・でも佐渡に行った時にちょっとだけ触れてきました。
どんなふうに面を打っておられるのでしょうか(「面を打つ」で良いのでしょうか)
今度は知りたいことを質問してもいいですか?
あなたは私の先生ですから^^
よろしくお願いします。