2011年3月11日14時46分、
今まで経験したことのない突然の激しい揺れで、
二階の自分の部屋から1階に駆け下りて
家族の安否を見届けてから、
暫くして自分の部屋に戻った時、
部屋の状況に愕然としました。
たまたま、
デジカメを机の上に出してあったので、
揺れが一時おさまった時に記録しました。
⇐ 雅勒の
書斎、兼
作業部屋
納戸の中の物が崩れ落ち、引き戸が外れ
倒れかかっています。
天井からは照明器具がぶら下がっています。
机の書籍類や、タンスの上の荷物は投げ
出され部屋中に散乱しています。
玄関奥のミニギャラリーの能面も、
何面か床にたたき付けられました
が幸い無事でした。
能面を掛けてあった
漆塗りの手作りの衝立(ついたて)が
真二つに割れて、能面を守ってくれ
ていました。
家屋の被害状況を確認するために、
外に出てみると近所の “ 瓦屋根の被害 ” が
多く目につきました。
幸いにも我が家はスレート葺きの屋根でしたので、
被害はありません。
同じ瓦屋根のお宅でも被害の無いお宅もあり、
後で聞いてみると漆喰(しっくい)や接着剤での
補強を施していたようです。
震災後、
5日経って血糖値を抑える薬が切れる時期なので、
掛り付けの総合病院に薬を貰いに行く途中、
太平洋に面した海沿いの道を通り震災と
津波による爪跡をまのあたりにしました。
⇐ 津波で
壊された堤防
何処からか流され
てきたタンク ⇒
それでも、
もう復興に向けて皆さん頑張っていました。
今回の経験から、
まだまだ続く余震に備えて、
部屋の片付けをしながら、耐震補強をしました。
耐震の補強ポールをしてあった本棚の上の
人形ケースが落ちてこなかったことと、
中の書籍類が外に投げ出されて居なかった
ということは、
“ 補強の効果 ” があったということですネ!
( もうひとつの耐震補強をしていなかった本棚は、
ガラス戸が外れて書籍は投げ出されていました )
中の書籍類もこの通りです。
でも、上に置いた人形ケースは戸が開き、
立ち雛は落下して壊れましたが、
これも、きっと家族の身代わりになってくれ
たのでしょうネ~ 合掌
昨日開いた、
近くのホームセンターで耐震グッズを買い、
早速処置しました。
本棚の上部に “ L字金具 ” で壁に固定しました。
また、
人形ケースが前に滑り落ちなかったことに
学び5mm×10mm角の木材でストッパーを
貼りつけました。
納戸には、
普段あまり使わないような大物が収納されている為、
途中の棚にフックをねじ込み、
不要になった電気器具のコードを張って
“ ズレ落ち防止 ” 処置をしました。
天井の照明器具が落ちてきた一番の原因は、
新築時に子供部屋にしていたので天
井材が防音仕様になっているため、
プレート材質が他の部屋のものより
軟らかな素材だったようです。
それが20数年の間に退化して強度不足になり
留め具部分の力に耐え切れなかったんだと
思います。
取りあえず、
器具コードと天井プレートの接触面にベニヤの
切れ端を入れて補強後に取り着けましたが、
いずれ落ち着いたら見てもらうつもりです。
日常の生活の中では、
あらゆる創意工夫で自然の災害から
自分の身を守っていくしかありません。
これで、少しは安心できます。
この処置でも駄目な時は、
きっと家屋崩壊の時でしょうネ (>_<)
そのような状況になった時でも、
避難通路に物が散乱していては逃げ遅れます。
幸いにも、
我が家は海から少し遠くの山側にあり
海面よりかなり高い処なので、
津波の被害はありませんでしたが、
震災後、
二日目に電気が通ってTV報道を目にした時は、
愕然としました。
そして、次々に報道される
東北地方の悲しいニュース ・ ・ ・
この度の震災で、残念にもお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りすると共に、被災された多くの皆さんに、心よりお見舞い申し上げます。
そして、地震と津波で家屋を失われながらも未だ続く強い余震と物資不足の中で、必死で生活をなさっている皆さん!
頑張って下さい。
この一週間、災害報道やらたび重なる激しい
余震などで、つい重い気持ちになる時も多々
あり、ブログ更新の気力にも欠けていましたが、
皆様からのお見舞いや励ましのメーッセージ、
そして私のブログを見て頂いている皆様の
ブログに込められた思いにも元気付けられま
した。
この場をお借りして御礼申し上げます。
とその父の観阿弥(かんあみ)によって
大成され現代に受け継がれています。
世阿弥の著書 『 風姿花伝 』 では “ 花 ” という
言葉を広範囲に、様々な意味で使っています。

たとえば、観客に感動を与える力の “ 花 ” 。
少年は美しい声と姿をもつが、
それは「時分の花」に過ぎなく、能の奥義である
「まことの花」は心の工夫公案から生まれるもの
と説いています。
また、
「花と面白きと珍しきと、これ三つは同じ心なり」
とも言っています。
人が舞台を観て発見する「珍しさ」、この感動が
「花」であり「面白さ」でもある ・ ・ ・ と
「時分の花」、「声の花」、「幽玄の花」。
これらの “ 花 ” は人の目にも見えるものであり、
その芸より出てくる花であり、自然に咲く花のごとく、
やがてまた散り失せる時が来る。
能面を打つ側にとっても奥深く、参考になる教えです。
このシリーズでは、
雅勒の庵に咲く “ 花 ” をテーマに能楽について
語ってみましょう。
第一回目は、今や盛りの 『 梅の花 』 です。


今年は寒さのせいか、
花持ちが良く、紅白が揃って競うように咲いています。
三番目物(鬘物)の【東北(とうぼく)】は、
梅の木陰で見る春の夢に、
和泉式部が歌を詠み舞を舞います。
月岡耕漁の能絵
春の都を訪れた旅の僧が、
東北院(とうぼくいん)に咲き誇る梅の花に心を留めます。
そこに一人の女(前シテ)が現れて、
「それは和泉式部の愛した軒端(のきば)の梅」と教え、
自分は梅の主(あるじ)と云って消えてしまいます。
⇐ 梅の主が掛ける
《小面》
(前場と後場で
使われます)
その夜、梅の木陰で読経する僧達の前に、
和泉式部の霊(後シテ)が姿を現して読経に感謝して
今は歌舞の菩薩となったと語り、和歌の徳を述べて
優雅な舞を舞います。
春の夜の 闇はあやなし 梅の花
色こそ見えね 香やはかくるる
躬恒
そして、僧の夢が覚めるのでした。
近年では、お花見と云えば桜ですが
遠い昔は
“ 花 ” といえば梅をさすほうが多かったそうです。
梅と桜、少しずれて咲いてくれて良かったです (^‐^)v
メインHP「雅勒の庵」の “ 四季の庭_冬 ” でも
“ 梅の花 ” が観られますヨ ⇒ こちら
能・狂言面の詳細説明はHP『雅勒の庵』の「作品展示室」
(http://www.net1.jway.ne.jp/k_garoku/gallery.html)
を覗いてみて下さい。
切能とは、能において鬼・天狗・天神・雷神・龍神などがシテ(主役)となる演目で、五番立において一日の催しの締めくくりを飾り、エネルギッシュに演じられることから切能と呼ばれます。
今日は牛若丸でお馴染みの、【 鞍馬天狗 】の解説をしましょう。
昔の映画のヒーロ「鞍馬天狗」の源流でしょうかネ?

春の京都、
鞍馬寺の僧が稚児(ちご)を連れ花見に出かけると、一人の山伏が現れ興(きょう)を妨げた為、ひとり稚児を残して僧達は去ってしまいます。
一人その場に残った沙那王(しゃなおう:牛若丸)に、山伏は鞍馬山の大天狗であると名のり、兵法を授けるので平家を滅ぼすよう勧め、再会を約束して姿を消します。
後場(のちば:後半の場面)の大天狗には、通常では赤頭(あかがしら)が使われます。
⇐ 天狗の総大将が
掛けるにふさわしい
《大べし見》 の面
( べし見とは唇を強く
結び、眉をしかめた
表情をいいます )
赤頭の大天狗 ⇒
深見東州氏のHPよりお借りしました ↑
また、小書(異式演出)では白頭(しらがしら)で、杖をついて老(おい)たけた大天狗の様相となり、面(おもて)も 《 悪尉 》 系が使われます。
⇐ 白頭で使われる
《べし見悪尉》 の面
( 悪尉とは強く恐ろしい
雰囲気のある老人 )
⇐ 白頭の大天狗
↑ 粟谷能の会のHPよりお借りしました ↑
前場(まえば)と後場の合間には、間狂言(あいきょうげん)の木葉天狗(こっぱてんぐ:アイ)の立喋りがあります。
「大天狗が牛若に兵法を教えるので、自分たちが太刀打ちの相手をすることになった」 と ・ ・ ・
⇐ 木葉天狗が掛ける
《鳶(とび)》の狂言面
大天狗は、兵法の奥義を伝授された漢の張良(ちょうりょう)の故事を語り聞かせます。
そして兵法の秘伝を残りなく伝えると、牛若丸に別れを告げます。
将来の平家一門との戦いで必ず力になろうと約束し、大天狗は夕闇の鞍馬山を翔け、飛び去っていきます。
大天狗の勇壮な姿と豪快な動きが切能としての最大見せ場となっています。
能・狂言面の詳細説明はHP『雅勒の庵』の「作品展示室」
(http://www.net1.jway.ne.jp/k_garoku/gallery.html)
を覗いてみて下さい。
< シリーズ : 面(おもて)から観る能楽 >
第7回 狂言「節分」と面 ’11 2/ 1
第6回 能楽「道成寺」と面 ’11 1/21
第5回 能楽「蝉丸」と面 ’11 1/ 4
第4回 能楽「羽衣」と面 ’10 12/ 1
第3回 能楽「清経」と面 ’10 11/ 1
第2回 能楽「高砂」と面 ’10 9/30
第1回 能楽「翁」と面 ’10 8/18
保存していた「夜叉五倍子(ヤシャブシ)」の実を軽く水で洗い、ビーカーに移して水を注ぐとやがて “ 琥珀色(こはくいろ) ” に輝きます。


琥珀色に輝く
ヤシャブシの溶液 ⇒
ヤシャブシの実はタンニンを多く含み、古来より黒色の顔料やお歯黒などに使われてきたそうです。
石綿網を敷いた伝熱器で5~6時間程、煮出します。
この間に、防腐効果と色出しを兼ねて 《 タバコの葉 》 を入れて煮沸します。
(この作業の為、2カ月程禁煙していたのにまた喫煙 を始めてしまいました。 罪作りな作業です (>_<) )
更に、数回水を差し加えて、ひたすら煮出します。



琥珀色から黒褐色の液になってきたら、ここで別の瓶に濾紙(ろし)を使って濾(こ)して中のヤシャブシと不純物を除きます。

一度濾した液を、新しい濾紙(ろし)でさらに濾しながら元のビーカーに戻して、
ふたたび、濃度を深めるために煮詰めます。


一時間ほど煮沸して黒味が出てきたら、埃(ほこり)の入らないように紙蓋をして、一昼夜寝かせます。
ビーカーの底にドロっとした沈殿物が溜まるので、
上澄み液だけを保管用の瓶に移して自然媒液の 「 古色液 」 が完成です。


この 「 古色液 」 をスポイトで絵皿に吸い取って、硝煙(しょうえん)やケーキカラーなどで色合いを調整しながら(必要に応じ、水で薄めて) 対象となる能面の趣(おもむき)に合った “ 古色 ” のベースを作りだします。
“ 古色 ” のベース色が決まったら、
“ 網ぼかし ” や “ タンポ打ち ”で能面に陰影を付けていくと、“ 古び ” の中に 『 幽玄味 』 のある面(おもて)が仕上がります。
また、目のシャドーや唇の紅の “ ぼかし ” などにも、この古色液を使います。
能面製作の過程での染色や漆(うるし)工法や金具の加工,メッキ,金箔貼りなどの諸作業も、学ぶことの楽しみかもしれませんネ (^‐^)
今回は、能面教室の生徒さん達にも参考になるように
少し詳しく書いてみました。
< 過去の関連記事 >
・ ヤシャブシ、って ?? ’10 5/22
「おーい、春だョ~




福寿草は春一番新年を祝う花として喜ばれ、別名で元日草(ガンジツソウ)や朔日草(ツイタチソウ)とも呼ばれます。
でも、 “ 雅勒の庵 ” の地植えの福寿草はこの時期に咲き始め、毎年花株を少しずつ増やしています。
早春に咲く花達も、着々と蕾を太らせて開花の準備をしています。

⇐ ミツマタの蕾

白木蓮の蕾 ⇒
晩春に咲く花の蕾や新芽も、もうこんなに大きく ・ ・ ・

⇐ 牡丹の蕾

薔薇の新芽 ⇒
今はまだ、梅の花の盛りですが、
これからは色々な花達が競って咲き始めます。
“ 庵の庭 ” も、モノトーンの世界から、華やかな庭に変化します。 楽しみで~す

メインHP「雅勒の庵」の “ 四季の庭 ” で
“ 庵の庭 ” の四季の花木が観られます ⇒ こちら
雅勒
- - - - ’24 ( R.6 )- - - -
8/18青柳氏の【邯鄲男】をアップ
8/12 柏原氏の【 蝉丸 】【逆髪】をアップ
6/26「作品展示室」に【神鳴】をアップ
4/28「催し物情報」に能面展情報をアップ
2/7「作品展示室」に【生成】をアップ
2/6「催し物情報」に能面展情報をアップ
2/3 松本氏の【 蝉丸 】・
柏原氏の【姫鬼】・
青柳氏の【逆髪】を アップ
1/25 松本氏の《 蛇 》 をアップ
- - - - ’23 ( R.5 )- - - -
12/10 柏原氏の《 深井 》 をアップ
7/14 会員「作品教室」に受賞履歴アップ
2/3 催し物情報に能面展告知 をアップ
お時間があれば、こちらもどうぞ ↑

― 能「紅葉狩」(能絵)-
能「紅葉狩」 ☞ こちら

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イラスト「十五夜」 より☞ こちら
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